同じ運動を続けていてもいいの?
皆さん運動を始めたばかりの頃はスクワットを20回するだけできつく感じますが、運動の回数を繰り返すことで、運動を始めた頃より楽にできるようになってきます。これは身体がスクワット20回の負荷に適応したということです。簡単に言うと「慣れた」ということですね。
さて、こんな時にこんなことを考えるのではないでしょうか?
「このまま同じようにスクワットを20回続けていったらいいのかな?」
今回はそんな疑問にお答えしていこうと思います。
馴化現象
同じ手段(エクササイズ)、同じ負荷(重さや回数)でトレーニングを長期間実施し続けた場合、体力の向上度合いは低下していきます。これを馴化現象といいます。1)最初のうちはスクワット20回という負荷に対して、筋力を向上させて適応していきますが、次第にそれ以上の筋力が向上しなくなっていきます。つまり同じトレーニングを続けていたらいずれ頭打ちになるということです。
その体力を維持したい場合などは、そのまま同じトレーニングを続けても問題ありませんが、それ以上を目指す場合はトレーニングを変化させていく必要があります。次はそのあたりについて見てみましょう。
過負荷の原則
筋力をはじめとした体力を向上させようとした場合、一定以上の身体負荷がかかる必要があります。1)これをトレーニングにおける「過負荷の原則」といいます。
例えば、階段をもっと楽に上がれるように脚の筋力をつけたいと考えた場合、この階段を上がること以上の身体負荷をかける必要があるということです。
負荷のかけ方
ではどのように負荷をかけていくのか、大きく分けて以下の2つの方法があります。1)
1つ目は負荷を増大させる方法です。単純にその運動の強度や量を増やすということですね。上記の例でいうとスクワット20回に慣れたのであれば、重りを持ってやってみるといった形です。
2つ目は実施する運動を新しいものにして、身体にかかる負荷を変化させるという方法です。こちらも上記の例を用いると、スクワットと同じ脚で押す動作であるランジというエクササイズに変更してみるといった形です。ただし元のエクササイズと類似したエクササイズである必要があります。
まとめ
現状を維持したいのか、さらに体力を向上したいのか、どちらかによって今行っているトレーニングを変化させる必要性は異なってきます。せっかく今のトレーニングに慣れたのであれば、もう一段階上を目指してチャレンジしてみるのもいいのではないでしょうか?
〈参考文献〉
1) ブラディミール・ザチオルスキー,ウィリアム・クレーマー.高松薫監訳.図子浩二訳.筋力トレーニングの理論と実践.大修館書店.2009.p3-11
(文/辻弦)