2021-12-07

年末年始の食べ過ぎを予防するには?

もうすぐクリスマス、お正月と食事を楽しむ機会も増えてくる時期です。ついつい食べ過ぎてしまい、胃もたれやお腹を壊すことも起こりやすくなります。
そこで今回は食べ物の消化吸収に必要な「胃酸の分泌」について書かせていただきます。

胃の役割

胃には主に4つの役割があります。

1 食物の滞留(1~4時間)※脂質が多い場合は更に時間を要する 

2 たんぱく質の初期消化

3 ミネラルのイオン化(水に溶けて吸収できる状態)

4 微生物の殺菌

これらの役割を果たすために大切なのが胃酸の分泌です。胃酸は胃内壁の中で形成される消化液で、ph1~1.5程度の強い酸性で殺菌作用を持ちます。

胃酸の分泌できていますか?

胃酸過多が問題視されることが多いですが、胃酸の分泌が減少している場合も注意が必要です。栄養価が高いものを食べればいい訳ではなく、栄養素は消化吸収されることで初めて体内で働くため、消化吸収に必要な胃酸がしっかり分泌されることが重要です。
では、胃酸分泌のチェックをしてみましょう。

①お肉などで胃もたれする

②食欲不振

③お腹をよく壊す

④筋肉がなかなかつかない

⑤慢性的な疲労がある

⑥息があがりやすい

これらに当てはまる方は、胃酸分泌を補助する食品を摂取しましょう。

胃酸分泌をサポートする食品

胃酸の分泌を助けるおすすめの食品は、レモンや梅干しといった酸味の強いものです。レモンや梅干しはpH2で胃酸にかなり近いです。また、「天然の消化剤」と言われている大根おろしもおすすめです。大根には消化を助けてくれる酵素が複数含まれています。

食事中の習慣の見直し

胃酸は自律神経の働きにより制御されています。交感神経(興奮する方の神経)が優位な場合、胃酸や胃粘液の分泌は減少してしまいます。そのため、リラックスして食事を楽しむことが大切です。
「ながら食べ」や「早食い」はせず、ゆっくりとよく噛んで食べることが基本となります。また食事中に水分を摂りすぎてしまうと胃酸を薄める可能性がある為、注意しましょう。

自炊で五感を刺激したり、食事に彩りをプラスして食事を楽しみましょう。

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(文/出野彩里)

参考文献

・奥平智之. 血液栄養解析を活用!うつぬけ食事術. KKベストセラーズ, 2019

・川合智.女性のための栄養学-鉄-,2021

・横井美里.身体の仕組みから考える「ダイエットが成功しない理由」,2021

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