2024-02-10

「新年の抱負」を継続させるためのコツを解説します

2024年が始まり、早くも一ヶ月が経ちました。

英語では新年に関連して「フレッシュスタート効果」という言葉があります。これは簡単にいうと

年始めや月初めなどの節目は、不完全だった過去の自分とさよならして、新しく生まれ変わることができるという感覚が生じやすい。そのため何か新たな目標を立てるのに非常によいタイミングであると科学的にも認められている効果のことです。

「今年こそは痩せる」

「今年はたばこをやめる」

「資格を取得する」

など、毎年、新たな年に新たな目標を掲げる方も多いでしょう。

しかし、新年の目標がなかなか続かない人が多いのも事実。

今日は、新年や、これから新たに何か目標を定める時に、それを達成するために大切なことを解説していきます。

「新年の抱負」の継続率

NorcrossとVangarelli(1989)という研究者は、ダイエットや禁煙などといった目標を新年にたてた200人の被験者が、その目標をどれだけ継続出来ているかを調査しました。

その結果、新年から:

1週間後→77%

1ヶ月後→55%

3か月後→43%

6ヶ月後→40%

の人が目標(達成のために必要な行動)を継続していたそうです。

アメリカでは1月の第2金曜日はQuitters day(三日坊主・飽き性の人の日)なんて呼ばれています。

年明けは新たに入会した人たちでフィットネスジムなども混雑しますが、ジムに長年通い続けている人たちは「Quitters dayまでの辛抱だ=2週間経つ頃には皆飽きて来なくなるさ」と我慢するそうです。

そんな言葉もあるくらいですから、約半数の人が1月の終わりには新年の抱負などなかったことになってしまっているという事実は残念ですがやっぱりね、という数字でもあります。

「新年の抱負」が続かない理由

新年の抱負がなかなか継続出来ないのには、いくつか原因があると言われています:

  • 目標が漠然としすぎている

新たに掲げた目標を継続出来ない大きな要因の一つとして挙げられるのが、目標がはっきりと明確でないということです。

「もっと運動する」「痩せる」等といったあまりに漠然とした目標は、その進捗が分かりにくく、モチベーションを保つことが難しいと言われています。

  • 目標にネガティブな言葉を使っている

「甘いものを食べない」「外食をやめる」というような何かを制限・回避するようなネガティブな言い回しは、目標を掲げる際には使わないほうが良いとされています。2020年に発表された研究では、「~をやめる/~をしない」という回避の言葉を使って目標を立てた人より、「~を始める」とアプローチ型の言葉を使って目標を立てた人たちの方が、1年後の目標継続率が高かったという報告がされました(47% vs. 59%)。

  • 現実とかけ離れすぎている・自分に即していない

新しい年に新しいことをしようと大きな目標を掲げるのは決して悪いことではありませんが、自分が今いる環境や実力からあまりに乖離した非現実的なものや、人(友人や好きな芸能人など)がしているから自分も何となくやってみようといった、自分が心から望んでいるものではない目標は、やはりドロップアウトしやすいと言われています。

継続のためのコツ

それでは、継続しやすい目標の立て方のポイントを挙げていきます。

  • SMART(スマート)な目標にする

継続しにくい目標は「漠然としている」「現実的でない」ものが多いと前述しました。

「SMARTゴール」とは、目標を設定するときに押さえたい5つのポイントの頭文字をとった言葉で、ビジネスの場面でもよく使われる手法です。SMARTは以下の略語です:

Specific: 具体的で明確である

Measurable: 測定可能、数字で表すことができる

Achievable: 達成可能なものである

Realistic: 現実的である

Time specific: 期限がある、期間が決まっている

例えば「痩せる」という漠然とした目標を、SMARTゴールに沿って設定すると

「ハワイ旅行に行く8月15日までに6kg痩せるために、週3回、ジムで有酸素運動30分と筋トレ30分を行う」

といったものになります。より明確で、見失いにくい目標になりましたね。

  • 目標をポジティブな言葉で表現する

前述した通り、目標をポジティブな言い回しに変えることも非常に重要です。

さきほどの例でいえば、「甘いものを食べない」「外食をやめる」の代わりに「おやつに果物やナッツ類を食べる」「週に4日は自炊する」というような言い回しが良いと思います。

  • 脱・完璧主義。「へま」を許容する

痩せると決めたのに、友達に誘われてケーキバイキングに行ってしまった。

ジムに行くのを一日サボってしまった。

たった一回の”へま”がきっかけで「失敗した」「もう何をしても無駄」と無力感に襲われ、自暴自棄になってしまうことがあります。これを心理学では禁欲違反効果や破禁自棄効果(Abstinence Violation Effect)と呼び、完璧主義者の人ほど陥りやすいと言われています。

ですが、電車を一本逃したからといって目的地に行くことを諦める必要はありません。次の便に乗ればよいのです。次回からまた頑張ろうと気持ちで仕切り直しましょう。

目標達成のためのコツを紹介しました。

今年こそは変わりたい!

そんな方は今からでも全然遅くはないのでぜひ参考にしてみてください。

(文/坂内悠)

参照:

Dai H., Milkman KL., and Riis J. (2014). The Fresh Start Effect: Temporal Landmarks Motivate Aspirational Behavior. Management Science.

Norcross JC., and Vangarelli DJ. (1989). The Resolution Solution: Longitudinal Examination of New Year’s Change Attempts. Journal of Substance Abuse. 1(2).

Oscarsson M., Carlbring P., Andersson G., and Rozental A. (2020). A Large-Scale Experiment on New Year’s Resolutions: Approach-Oriented Goals are More Successful Than Avoidance-Oriented Goals. PLOS ONE. 15(12).

関連記事