口呼吸だと猫背は改善しない!
テレビやパソコン、スマートフォンの画面を見ている時、無意識に口が開いて呼吸をしていませんか?口呼吸は虫歯や疲労感だけでなく、姿勢にも大きな影響を与えます。
口呼吸と鼻呼吸
口の役割は舌や歯を使い食べ物を消化しやすく咀嚼し、唇は言葉を話し、表情をつくるためにあります。そもそも口は呼吸器ではなく消化器に分類され、鼻が呼吸器に分類されます。
鼻呼吸ができていると、
1.息を吸い体内へ空気を送る時に、加湿、加温、異物の除去される。
2.空気が鼻腔を通ることで、一酸化窒素が生成され、血管拡張効果がある。
3.口呼吸による口の乾きを防ぎ、虫歯や歯周病、口臭の予防になる。
このように、鼻呼吸のメリットがたくさんあります。
口呼吸と姿勢
口呼吸は口を開き舌が落ちる状態となり、空気の通り道である気道が塞がれやすくなります。皆さん、一度口を開いた状態で呼吸をしてみてください。
口を開いた状態で呼吸をしようとすると、自然と顔を前に突き出していませんか?これは舌によって狭くなった気道を、アゴを前へ突き出すことで拡げることができます。
このように、口呼吸になっていると顔が前に突き出した状態となり、無意識のうちに猫背姿勢になってしまいます。猫背を直すためには、まず口呼吸を改善しなければなりません。ストレッチやトレーニングを行っていてもなかなか改善しない方は、一度ご自身の呼吸を確認してみましょう。
口呼吸を直すには舌の位置が重要
あなたの舌の位置はどこにありますか?
舌の正しい位置は、下図の赤丸の部分の上顎にピッタリ舌全体がくっついている状態です。この状態から外れてしまうと、舌が落ち込み気道が狭くなり口呼吸になりやすくなります。
このように、口呼吸の影響は姿勢に大きく関わります。マスクを着けていることが多くなり、口呼吸に無意識になっていませんか?舌の位置をチェックしながら、鼻呼吸を心がけてみましょう。
<参考資料>
森本貴義・近藤拓人.新しい呼吸の教科書.ワニ・プラス,2018,126P
(文/下川由香里)