2022-10-12

汗をかけばかくほど痩せる?

『汗をたくさんかく=代謝がいい』と思っていませんか?
運動時に汗をたくさんかくとエネルギーを大量に消費しているように感じがちですが、実は汗をかけばかいた分だけ痩せるとはかぎりません。

汗が出る本当の理由

発汗の目的は体温調節です。運動により深部体温や皮膚温度が上昇するので、体温を調節するために発汗活動が行われます。そのため運動時の発汗はエネルギーを消費している証拠ではなく、トレーニングにより高まった深部体温などを下げようとして出ています。
また、発汗は運動に伴う精神活動の影響も大きいです。運動を始めたばかりの方や新しいトレーニングへチャレンジする場合のような精神的な動揺が大きい場面では普段よりも汗をかきやすい環境です。

このことから、汗をたくさんかいたからといって代謝がいいとは一概にいえません。
では、そもそも『代謝』とは何のことでしょう。

代謝ってなに?

1日の総エネルギー消費量は、基礎代謝量(60%)・食事誘発性熱産生(10%)・身体活動(30%)の大きく3つに分けられます。
よく耳にする、基礎代謝に注目していきます。基礎代謝量とは 安静時の呼吸など何も活動せずとも消費されるエネルギー量を指します。一般的に女性よりも男性の方が基礎代謝は高いです。また、加齢とともに下がってきます。
この基礎代謝が高いと、消費されるエネルギー量が増えます。つまり、減量を目的として運動を行う場合は基礎代謝が高ければ効率よくエネルギーを消費できるということです。

また、基礎代謝は筋肉量に比例します。このことから、がむしゃらにランニングをするよりも筋肉量をアップさせるようなトレーニングを併用しながら有酸素運動を行うなど一工夫が必要です。

これからは涼しくなり、運動にチャレンジしやすい気候になります。
汗をかく爽快感を感じながら、意味のあるトレーニングができるようにぜひ参考にしてみてください。

<参考資料>
・運動と発汗(著/小川徳雄)
・加齢とエネルギー代謝(厚生労働省)

(文/小山七海)

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