2022-08-08

運動中の体調不良の原因は?

運動を継続して行うと、『以前より負荷を上げてトレーニングができた』や『ランニングの距離が伸びた』など身体にとって良い変化が現れます。
一方で真剣にトレーニングに取り組んでいるはずなのに、あくびが出たり、気分が悪くなる、集中力が続かないといった症状が出現することがありませんか?
実はその症状、『酸欠』が原因かもしれません。

どうして体調不良になる?

あくびは体温が上昇した際に温度調節のために出ます。トレーニングを行うと体温が上がるので、眠たくなくても自然とあくびが出てしまうことがあります。また脳の酸素量が減少するとあくびが出るといわれています。
運動で身体を動かすと、体内の酸素は筋肉へ運搬されます。そのため脳への酸素運搬が減少し、結果としてあくびが出たり集中力がなくなったりします。筋肉へ酸素を送っているため、体内の臓器にも酸素運搬が減ってしまうので吐気や気分不良の症状が出現することもあります。


他にも食事のタイミングも関係があり、空腹時のトレーニングは体調不良に陥りやすくなります。運動時にエネルギー源となるものはグリコーゲンです。グリコーゲンとは糖の一種で、ご飯やパン、麺類などの炭水化物はグリコーゲンの素となります。運動中にグリコーゲンが利用され体内のグリコーゲンが枯渇すると頭痛や吐気、めまいなどの低血糖の症状が出現する可能性が高くなります。特に長距離のランニングや強度の高いトレーニング時は低血糖を引き起こしやすいです。

トレーニング時の注意点

高負荷を扱うトレーニング時や、ストレッチをしている際に呼吸が止まっていませんか?
息を止めた状態で運動を行うと酸欠状態に陥りやすくなります。また、マスクを着用しながら運動をする機会が増えたので特に呼吸をすることに気をつけながら実施しなければいけません。
食事については、低血糖の症状出現の予防のためにグリコーゲンの素となるご飯やパン類に含まれるデンプンを1時間以上前の摂取を心がけましょう。
睡眠不足や水分不足もトレーニング中の体調不良に繋がります。特にこれからは気温も上昇するのでこまめに水分補給をし、合間に十分な休息も入れながら暑い夏もトレーニングに励みましょう!

<参考資料>
・運動とスポーツの生理学(著/北川薫/2019年)
・脳内低酸素とあくび反応(著/北一郎,有田秀穂)

(文/小山七海)

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