2022-08-16

座り過ぎは体に害?

皆さんは、1日どれくらいの時間を座って過ごしていますか?
オーストラリアの研究機関の調査で、日本人の平日に座っている時間が1日7時間(420分)という報告があります。この調査が行われた世界20カ国中、最も座位時間の長い結果となっています。
長時間座っていることで、すぐに体に何かが起こる訳ではありませんが、あなたの健康を脅かしている可能性があります。今回は長時間座ることで起こる体への影響をお伝えしておこうと思います。

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なぜ座りすぎがいけないのか?

骨格筋の機能不全を起こしやすい

座って作業をしていると、どうしてもダラっとした姿勢になりやすく、姿勢を保持する体幹や下半身の筋肉を使わない状態になります。体幹の筋肉を使わなくなると、正常な姿勢が取れなくなり、猫背姿勢になりやすくなります。

生活習慣病のリスクになる

適度な運動は心臓血管系に良い影響を与えます。長時間座り続けることで、血流が低下し心筋梗塞、肥満、糖尿病、がん、認知症などの生活習慣病のリスクを高める可能性があります。また動かないことで消費カロリーの低下による肥満に繋がりやすいです。

脳への刺激不足になり、機能低下を引き起こす

体は脳から筋肉へ司令を送ることで動き、運動を行っています。長時間座って同じ姿勢でいることは、脳への情報量が乏しくなり脳機能の低下を招きやすくなります。体を動かすというのは、大量の情報が脳への刺激となり、脳機能を高めることが出来ます。

座りすぎリスクを回避する方法

1.過剰に座りすぎない

座っている姿勢より、立っている姿勢の方が、体幹や下半身の筋肉を使います。そのため、本当に座る必要があるかどうかを考え、必要な時に座るように心がけてみましょう。

2.20~30分毎に立ち上がって動く

長時間座っている姿勢は、関節への慢性的なストレスや筋緊張を生み出します。トイレへ行ったり、飲み物を取りに行ったり、ストレッチや軽いエクササイズなど体を動かしましょう。足を動かすことで、全身の血流を上げてくれることでエコノミー症候群の予防にもなります。

座ったまま出来るエクササイズ

先程20-30分毎に立って動きましょうとお伝えしましたが、お仕事中や会議中、電車などの移動ではなかなか動けないこともあるかと思います。そこで、座ったままでも出来るエクササイズをご紹介したいと思います。

まとめ

生活の利便性が高まると座る時間が多くなってきやすいですが、その分体の機能が低下していきます。日常生活の少しの工夫で、体の不調を改善していけますので、ぜひ出来ることから始めてみましょう。

(文/下川由香里)

<参考資料>
・「座りすぎ」ケア 完全マニュアル 姿勢・バイオメカニクス・メンテナンスで健康を守る.医道の日本社,2020,367p
・https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3827429/pdf/pone.0080000.pdf

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