2024-01-05

ジムのマシンで肩を痛めてしまった。その原因はなに?

「ジムのチェストプレスで筋トレをしていたらだんだん肩が痛くなってきた」

「ベンチプレスに取り組んでいるが、時々肩に痛みがある」

「ショルダープレスをやるといつも肩が痛い」

このようなお悩みをお持ちの方から時折相談を受けることがあります。軽い痛みや気にならない程度であればついつい見過ごしてしまっていたり、筋肉痛だと解釈してしまうケースも多いかもしれません。

これらを放置したまま継続すると重症化しかねません。重症化する前に原因として考えられることについて確認し、早期に対応することで悪化を防ぎ、改善させていきましょう。

筋トレで肩を痛める原因

基本的にチェストプレスやベンチプレス、ショルダープレスなど「手で押す」エクササイズで、肩の痛みが発症しやすい印象があります。今回はチェストプレスやベンチプレスといった手で前に押すエクササイズにおいて、原因として主に考えられる以下の3つについて考えてみたいと思います。

1.エクササイズフォーム不良

チェストプレスやベンチプレスなどの前に押す系のエクササイズでは、以下の2点を確認してみて下さい。

・脇が広がりすぎていないか

重りをおろした際に手と肘を結んだ直線がシートやベンチに対して垂直となっており、ハンドルやシャフトが乳頭を結んだ直線あたりに位置しているようにしましょう。この直線より上方で動作を反復すると肩関節の上方で圧迫や摩擦ストレスが生じやすく、それによって肩の痛みを引き起こしやすくなります。

こちらは自身で確認するのは少しむずかしいのでトレーナーにチェックしてもらうことをおすすめします。

・背中が丸まっていないか(肩甲骨が開いていないか)

シートやベンチに背中をつけた際に、背中が丸まらないように胸を引き上げるようにしましょう。背中が丸まっていると肩が前方に巻いてくるような姿勢となり、そのまま動作を行うと肩前方に過剰なストレスがかかったり、肩の後ろで骨同士の衝突が生じやすくなり、これらが肩の痛みを引き起こす場合があります。
また、過度に前方へ押し込み過ぎると肩甲骨が開いて肩が前に位置しやすくなりますので、肩甲骨は背中のシートにしっかりつけておくように意識しましょう。

2.肩後方組織のかたさ

肩関節は下図のような構造をしており、肩甲骨の浅いカップ(関節窩)の上に腕の骨の末端(上腕骨頭)が乗っているような感じです。この構造だからこそ肩はとても自由度が高く、色んな方向に動かせるのですが、一方で不安定な関節でもあります。

関節では「転がり」と「滑り」という運動が行われています。例えば直立で腕を前に上げるような動作では、腕の骨の末端(上腕骨頭)は前上方に転がりながら、後下方へ滑るような動きをしています。これを関節包内運動と言い、この運動が起こることによってスムーズな関節の動作が成り立っています。

ここから本題ですが、肩の後下方組織がかたくなっているとどうなると思いますか?

先程説明した関節包内運動の後下方への滑りが起こりにくくなります。そうすると上腕骨頭が前上方に転がることによって、少しズレた位置で運動を行うような形となり、これが関節や周囲の組織へのストレスとなり、痛みへと繋がっていきやすくなります。

3.肩周囲の筋アンバランス

大胸筋をはじめ、肩の前方にある筋肉の柔軟性が低下することで動作中に肩を前方へ牽引する力が強くなり、上記と同じ理由で肩へのストレスとなります。

また、肩甲下筋といういわゆる肩のインナーマッスルと言われる筋肉の機能低下によっても同様に肩が前方へと牽引されやすくなります。

改善エクササイズ

エクササイズフォームについてはトレーナーに一度チェックしてもらい、指導を受けることをおすすめします。残り2つの原因についてはセルフでも出来る対応策をご紹介します。

  • 大胸筋ストレッチ(30秒×1~3セット)

柱や壁などに肘を当てて胸を張り、前方へ肩を突き出して肘と反対側に少し上体をひねる

  • 棘下筋ストレッチ(30秒×1~3セット)

横向きになり、下側の腕を前に出して肘を直角に曲げ、反対側の手で手首を持って下側へひねる

  • 広背筋・大円筋ストレッチ(30秒×1~3セット)

四つ這いになり、片手を反対側の手の少し前に置いて、お尻を引いたらそのまま伸びている腕側に体重をかける

  • 肩後方ダイレクトストレッチ(30秒×1~3セット)

肩の後ろの押して痛い所を探し、そこにテニスボールなどを当てて仰向けになり、無理のない範囲で体重をかける

  • 肩甲下筋トレーニング(10~20回×2~3セット)

ゴムチューブなどを柱などに固定してチューブが身体の外側に位置するように立ち、肩を内側へひねるようにして引っ張る

まとめ

エクササイズを行っていて、やっていくうちに少しずつ痛みが悪化しているような場合はエクササイズのフォームが正しくない場合や、関節や筋肉自体に何か問題を抱えているようなケースが多いと思います。そのまま放置せずに、一度専門家に見てもらうことをおすすめします。

(文/辻弦)

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