肩甲骨は必要なの？

肩甲骨をご存知ですか？肩こりがひどい方や肩痛の方は、肩甲骨が重要と言われますが、そもそも肩甲骨は本当に重要なのでしょうか。

肩甲骨ってどこ？

肩甲骨は両肩後面に逆三角型の手のひらサイズでついています。肋骨に直接ついているわけではなく、鎖骨の部分とのみ接続しているため、とても自由な動きができます。

肩甲骨の特徴

肩甲骨は周囲の筋肉により胸郭に浮いているようについているので、非常に自由度が高いです。ですが、その反面安定しにくく、周りの筋肉で支えることが必要となります。肩甲骨の位置や動きが乱れると肩関節の動きが正常に出来なくなり、肩の痛みに繋がりやすくなります。

肩甲骨が動かないとどうなる？

結論から言うと、肩の動きが制限されます。肩関節は上腕骨と肩甲骨で出来ている「肩甲上腕関節」と、肩甲骨と胸郭から出来ている「肩甲胸郭関節」があります。

腕を頭上へ挙げる時に、肩の動きに目がいきがちですが、実は肩甲骨も一緒に動いているのです。これを「肩甲上腕リズム」といい、肩甲上腕関節と肩甲胸郭関節の運動比が2:1となります。

例えば、腕を頭上まで上げる範囲の参考可動域は180°です。この内、肩甲上腕関節は120°、肩甲胸郭関節は60°の動きを担っています。腕を頭まで挙げれない時は、肩甲骨にも問題があるかもしれません。

改善エクササイズ

こちらのエクササイズは、肩と肩甲骨の動きを組み合わせた運動になります。

普段は肩甲骨を意識して動かしていませんが、肩の動きにとても重要な役割を肩甲骨は担っています。空き時間やデスクワークの合間にぜひやってみてください。

＜参考資料＞
・ 工藤慎太郎. 運動器疾患の「なぜ？」がわかる臨床解剖学.医学書院,22-30,2013.

（文/下川由香里）