腹筋で股関節の前が疲れるのはなぜ?
腹筋を鍛えるためにやっているはずのエクササイズで、なんだか股関節の前や脚の筋肉ばかり疲れて、腹筋を鍛えているがしないといったことはありませんか?
今回は腹筋を鍛えるエクササイズの代表格といえるシットアップを例として、そのようなことが起こる原因とその改善方法をご紹介したいと思います。
腹筋で股関節の前が疲れる原因
結論から言うと股関節の前や脚ばかりが疲れる原因として、シットアップを行う際に上体を上手く丸められていないことが比較的多いのではないかと考えられます。
シットアップというエクササイズは大きく分けると、以下の2つの段階があります。
- 上体を丸める段階
- 上体を起こす段階
1.上体を丸める
上体を丸める段階では、仰向けの状態から背中の肩甲骨が浮くぐらいまで上体を丸める、いわゆるカールアップという動作を行います。このカールアップ動作では、主に体幹の前面を走行する腹直筋や腹斜筋群(内腹斜筋・外腹斜筋)を使って行う動作になります。
2.上体を起こす
シットアップでは上記のカールアップ動作では終わらず、カールアップのフィニッシュポジションから更に上体を起こす動作までを行います。この段階では、腸腰筋(腸骨筋と大腰筋)や大腿直筋などの股関節の前面に走行している筋肉を使います。
このようにシットアップでは前半の背中を丸める段階では腹筋(腹直筋や腹斜筋群)が、後半の上体を起こす段階では腸腰筋や大腿直筋がメインに働くような形になります。
前半の上体を丸めるような動きができていないと、後半の上体を起こしていく段階で腸腰筋などの股関節前の筋肉にかかる負荷が増えてしまったり、腸腰筋などの股関節前の筋肉たちが力を発揮しにくくなったりすることで、シットアップで股関節の前や脚ばかりが疲れるということに繋がります。
また足を押さえてもらったり、何かに足を引っ掛けたりして行うシットアップでは、特に腸腰筋などの股関節前の筋肉たちばかりを使ってしまいやすいので注意が必要です。
適切なシットアップを行うには
適切にシットアップを行うには、背中~腰の十分な柔軟性の獲得と腹筋群を使った適切なカールアップ動作を行うことがポイントになります。そのためのエクササイズをご紹介します。
ラット・ストレッチング
背中の柔軟性を獲得するために行います。30秒間伸ばしましょう。
1.四つ這いになり、右手を左手の斜め外側に置いて両足を左側に寄せておきます。
2.右斜め後ろ方向へお尻を引いていき、右脇下から腰あたりにかけて伸びている感じがすればOKです。反対側も同様に行いましょう。
カールアップ
シットアップの前半部分のみのエクササイズです。腹筋を適切に使って上体を丸める動きを習得します。
1.仰向けになり、両膝を立てて両手は後頭部に添えるか、胸の前で組んでおきます。この時に腰を少し床に押し付けるようにして、腰と床の間の隙間をなくしておきましょう。
2.息を吐きながら、下記の順番でゆっくりと上体を丸めていきます。このとき勢いよく反動を使うように動作を行わないように気をつけましょう。
①あごを引く
②首を丸める
③背中を丸める
まとめ
今回はシットアップを例に解説をしていきましたが、他の腹筋エクササイズでも腹筋ではなく脚や腰が疲れてしまうというようなことがありえます。腹筋を鍛えるということを目的としている場合、そのエクササイズを適切な方法で行えていない可能性がありますので、一度トレーナーなどの専門家に聞いてみていただくことをおすすめします。
(文/辻弦)