コラム『呼吸』
最近、注目されることの多い「呼吸」。肩こりや腰痛、身体の不調を抱えてる方に呼吸が乱れていることが多く見られます。 ヒトは食事や水分を摂らなくても数日生きて行くことが出来ます。しかし、呼吸が出来ないと5-6分で生きることが出来なくなります。なぜ呼吸が重要となるのでしょうか。
呼吸の重要性
私たちは生まれた瞬間から産声を上げ、呼吸を始めます。 成人の方の1分の呼吸数は12-18回といわれます。1時間になると720-900回、1日にすると2万回以上です。呼吸は1日で最も行っている運動になります。その呼吸が間違った方法で行われている場合、身体への悪影響を及ぼしてしまいます。
呼吸に重要な横隔膜
呼吸には吸気(息を吸う)と呼気(息を吐く)がありますが、安静時呼吸の70~80%を担うのが「横隔膜」という筋肉です。横隔膜は肋骨の下部にドーム状に付いています。呼吸をするためには、肺が拡張して空気を取り込む必要がありますが、肺自体は動くことが出来ません。そこで、横隔膜のドームを下げることで胸腔を広げ、空気を取り込んでいます。
横隔膜が付着している肋骨の形状や動きが悪い方や、浅い呼吸が常態化している方は横隔膜を使って胸腔を拡げることが出来ないため、肋骨の上部に着いている首周りの筋肉を使い胸腔を拡げようとしてしまいます。そこから、肩こりや首こりなどの症状が出てきてしまいます。
呼吸のチェック
横隔膜は肋骨の内側に付いているため、直接触れる事ができません。そのため肋骨の動きを確認し、正しく動きが出ているかを確認していきます。
チェック方法
- 仰向けになり、両足裏は床につけたまま、両膝を立てる。
- お腹の両端に手を当てます。
- 息を吸う時に、お腹の動きを観察します。
結果
- お腹が横に向けて膨らむ:安静時呼吸が正しく行えています。
- お腹が横に向けて動かない:呼吸が乱れています。
- お腹が凹む:呼吸が乱れています。
- お腹が横に膨らまず、前方にだけ膨らむ:腹筋が弱くなっている可能性があります。
改善呼吸エクササイズ
- 仰向けで両膝を立て、左右のあばらに手を当てます。
- 床に頭から仙骨までつけたまま、鼻から4秒かけて息を吸い、8秒かけてゆっくりと口から息を吐きます。
- 息を吸う際は肋骨が拡がり、息を吐いていくと肋骨がすぼんでいきます。
5呼吸×3セット行ってみましょう。
普段何気なくやっている呼吸ですが、肩こりや腰痛など身体の不調の要因となっている可能性があります。少し意識して呼吸を見直してみましょう。
グループセッション「カラダを変える呼吸」
(文/下川由香里)