反り腰には体幹トレーニング?
腰痛を抱えている方で、体幹トレーニングを勧められていませんか?
特に反り腰の方は、体幹が大事になります。「体幹トレーニング=腹筋」というイメージが強く、腹筋をして腰痛がひどくなったり、なかなか腰痛が改善しないという話をよく聞きます。もちろん、腹筋を鍛えることは重要ですが、体幹部の安定性を出すために必要な段階があります。
体幹とは
体幹という言葉を良く耳にしますが、そもそもどの部分のことを指すのでしょうか。実は体幹にも広義と狭義の意味があります。広義には「頭部と四肢を除く全ての部分」、狭義には「骨盤周辺」を指して使用されます。体幹部分は胸腔と腹腔に分けられ、主に胸腔は呼吸運動、腹腔は排便や排尿、腰部の安定性が主な役割となります。
反り腰の方には、まず骨盤周囲の安定性を出すことが重要です。腹腔を構成している上部の横隔膜、下部の骨盤底筋群、腹巻きのように腹部を覆っている腹横筋、後部の多裂筋があります。これらの筋肉が同時収縮することで、腹部の圧が高まり腰部や骨盤帯の安定がもたらされます。
下位交差性症候群
反り腰の方に多く見られる「下位交差性症候群」があります。これは骨盤の前傾が強くなることで、その上にある腰椎の前彎も増してしまいます。こうした場合、腰部から背中についている脊柱起立筋や腰部の腰方形筋、または骨盤前面についている大腿四頭筋、腸腰筋などの短縮や筋緊張が強くなりやすくなります。これらの筋肉の短縮や筋緊張が強まると、反対側にある腹筋群や骨盤後面についている臀筋群が機能低下しやすい状態となります。
改善エクササイズ
太もも前ストレッチ
太ももの前のストレッチ
①背もたれに対して横向きに座る
②片方の足首をお尻の後ろで持つ
お尻トレーニング
まとめ
反り腰には体幹トレーニングが必要になりますが、まずは過剰に緊張している筋肉を緩め、機能低下している筋肉を使っていくことでより体幹トレーニングが効率的に行えるようになりますので、ぜひ実践してみてください。
(文/下川由香里)
<参考資料>
・ 平沼憲治,岩崎由純,蒲田和芳,渡辺なおみ.コアコンディショニングとコアセラピー.講談社,2011,12-16p