BMIと体脂肪率はどちらが重要?
皆さんは「BMI」という言葉をご存知ですか?
BMI(Body Mass Index)とは、肥満度を表す指標として国際的に用いられている体格指数で、[体重(kg)]÷[身長(m)の2乗]で求められます。(身長はcmではなくmで計算します)
肥満の判定
日本肥満学会では以下の表のように分類しています。
標準は22.0とされておりこの数値が統計上、肥満との関連が強い糖尿病、高脂血症、高血圧に最もかかりにくいとされています。では、BMIのみの判定で、標準であれば生活習慣病のリスクは低いと安心していいでしょうか。
体脂肪率の判定
第13回日本肥満学会コンセンサスカンファレンスでは、以下の表のように体脂肪率によって、痩せ、普通、肥満の3つに分けて判定しています。
BMIが標準でも体脂肪率が高い隠れ肥満には注意が必要です。隠れ肥満も肥満群と同様に健康障害を有するとの報告もあります。その為、BMIだけではなく、BMIと体脂肪率の併用による肥満の評価が必要です。
BMIと体脂肪率による分類
肥満のタイプの傾向としては、男性は真性肥満が多く、女性は隠れ肥満が多い傾向にあります。非肥満群と肥満群を比較すると肥満群が生活習慣病に関連性があると確認されており、見逃されやすい隠れ肥満に対しても早期にアプローチをする必要があります。
ダイエットに励まれる方の中には体重の増減のみを重視し、無理な食事制限や過度な運動をされる方が多いのが現状です。体重を一つの指標とするのはいいと思いますが「体重が落ちたからOK」ではなく、どのように変化したかを客観的に評価する必要があります。体重を落とすことだけを重視すると、筋肉量の減少などから結果的に隠れ肥満を助長することになりかねないため注意が必要です。
当施設での体組成測定
当施設ではInBodyによる体組成測定(筋肉量や脂肪量などの測定)を実施し、トレーナーによる測定結果に対するフィードバックとアドバイスを行います。また、体組成測定に加え食生活へのアドバイスを行う食事カウンセリングサービスも実施しております。肥満のタイプにより運動や食事へのアプローチ方法は異なります。より効率的に目標を達成できるようにサポートさせていただきますのでぜひ一度ご利用下さい。
(文/出野彩里)
【参考】
・一般社団法人 日本肥満学会
・岸直弘.田中由紀夫.健康管理の点から見た体内脂肪率測定の有用性.1996
・鈴木公美子.斉藤淑子ほか.人間ドックにおける隠れ肥満の検討.1997
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