2021-07-14

コラム『非特異的腰痛』

腰痛はごく一般的な症候ですが、レントゲン検査などの画像検査で異常を認め、病態が明らかとなる腰痛は約15%程度と言われています。つまり、残りの約85%は画像検査では異常が認められないということです。しかし、画像検査で異常はなくとも実際に腰痛はあります。これはどういうことなのでしょうか?

非特異的腰痛とは

画像検査では異常が認められず、病態が明らかとされない腰痛を”非特異的腰痛”といいます。安静や投薬といった対処で症状が軽減することが多いですが、日常生活動作や仕事などで脊柱へ負担がかかることによって再発することも多いです。これは脊柱が負荷に対して十分に対応ができていない、つまり機能的な問題による腰痛と考えられます。

機能的な問題とは

私達は立ったり座ったりした状態で手脚を動かす際には重心の変化に対して適切に反応し、姿勢を適宜調節しています。これを予測的姿勢制御といい、運動に伴う姿勢の乱れを予測し、運動に先行して姿勢を保持する筋を予め活動させることによって、姿勢の乱れの影響を最小限に抑えていると考えられています。腰痛者では、腰痛の結果として運動に先行して腹横筋という筋肉を活動させ体幹を安定させる機能が不十分であるということが報告されています。

また、腰椎・骨盤リズムといい、前かがみの動作の際に腰椎と骨盤(股関節)の運動がそれぞれおおむね3:1の比率で起こるというものがあります。太ももの後ろの筋肉(ハムストリングス)が何らかの原因で柔軟性が低下してこの比率が崩れると、相対的に腰椎の運動比率が大きい前かがみ動作を繰り返すと腰部へのストレスが蓄積すると考えられています。

上記に挙げた2つの機能的な問題は、レントゲンなどの画像検査ではなく、実際に動作をチェックしたり、筋の柔軟性をテストしたりする機能検査を実施することによって確認できます。

非特異的腰痛に対するエクササイズ

非特異的腰痛の機能的な問題に対する予防対策として、自宅でもできる簡単なエクササイズを2つご紹介します。

ドローイン

〈方法〉
1.仰向けになり、両膝を立てます。
2.両手をおへその上に置きます。
3.リラックスした状態で鼻から息をゆっくり吸い、お腹が膨らむのを感じます。
4.口をすぼめて、細く長く息をゆっくり吐きながらおへそを引き込んでいきます。
5.お腹に力が入ったのを確認したら3~5秒ほどキープします。
6.再びリラックスし、ゆっくり息を吸い込みます。(3~5を繰り返します)

〈回数〉
ゆっくり呼吸と合わせて10~20回

ハムストリングストレッチ

〈方法〉
1.イスなどに浅く腰掛けます。
2.片脚の膝をまっすぐ前方に伸ばします。
3.両手は曲げている膝の上に置き、背筋を伸ばします。
4.背中が丸まらないようにゆっくりと上半身を前方に倒していきます。
5.太ももの後ろから膝裏にかけてがストレッチされます。

〈時間〉
反動をつけずに5.の状態で約30秒保持

まとめ

腰痛は今回ご紹介した内容以外にも多くの要因が関与していると考えられています。腰痛になってしまった場合は安易に自己判断せず、まずは医療機関を受診し、専門家の指導を仰ぐことをおすすめします。

メディカルフィットネスM’sでは個々に合わせた個別運動プログラムや上記のような内容を学びながら運動を中心とした対策を少人数グループで実践するグループセッションなど、腰痛でお悩みの方にも運動を通じたアプローチをご提案しております。

・グループセッション「腰痛予防」

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

〈参考書籍〉
・腰痛の病態別運動療法 (著)金岡 恒治

(文/辻)

関連記事