2022-05-11

身体が柔らかいのは正解?

「自分の身体は柔軟性がない…」とストレッチばかりしていませんか?身体の柔軟性は筋肉だけでなく、関節の柔軟性にも関係します。各関節ごとに好ましい可動域があり、それ以上に動く場合は「関節弛緩性」の可能性があります。自分の身体に関節弛緩性があるかどうかチェックしてみましょう。

bending-forward

関節弛緩性とは

関節は決められた範囲の中で運動するように作られています。その範囲以上の動きをするものは関節弛緩性です。関節弛緩性は1つの関節だけでなく、いくつかのチェックにより判断されます。
関節弛緩性は先天的なものと後天的なものがあります。先的的なものでは、ホルモンなどの関連で女性の方が関節弛緩性は大きい傾向にあります。また後天的なものでは、幼少期から関節に力が加わるような動きを繰り返した場合、関節の可動範囲が大きくなります。例としては、新体操やバレエなどの股関節や野球での肩関節などがあります。

stretch-ballet

関節弛緩性のリスク

関節の可動範囲が広がるので素晴らしいと思うのですが、関節の周りには関節包や靭帯、腱などが過剰な範囲まで動かないように関節を守っています。過剰な範囲まで動くことにより、それらの組織を損傷しやすくなります。関節弛緩性が高いということは、関節の不安定性も増加しやすくなるためケガのリスクにもなります。

関節弛緩性チェック

それでは実際にご自身に関節弛緩性があるか簡易チェックしてみましょう。

①手関節:手首を曲げ、親指が腕につくかどうか
②肘関節:肘を伸ばしきったときに、肘が15度以上反るか
③肩関節:片手を上から、逆の手を下から後ろに回し、背中の後ろで両手の指を握れるか
④股関節:かかとをくっつけて立ち、両足を外側に180度以上開けるか
⑤膝関節:立位姿勢で膝が10度以上反るように伸びるか
⑥足関節:足裏を床から離さずにしゃがんだ際に、足関節が45度以上曲がるか
⑦脊柱:立位姿勢で前屈した際に、手のひら全体が床につくか

関節弛緩性テスト(東大式)

以上の7項目について当てはまるものを1点、左右がある場合はそれぞれ0.5点として、7点中4点以上であれば関節弛緩性があります。

関節弛緩性のある方はゆっくりと行う静的ストレッチを積極的に行うよりも関節周囲を安定させるために筋力トレーニングを行うのが効果的です。
関節弛緩性が悪い訳ではなく、自分の身体の特性を知り、自分の身体に合ったトレーニングを行っていきましょう。

<参考資料>
・標準整形外科学. 鳥巣岳彦,国分正一.医学書院.p90-91

(文/下川由香里)

web-reservation
関連記事