早食いは肥満になるの?
皆さんは1回の食事にどれくらい時間をかけていますか?
日頃から美味しい食べ物を目の前に、つい早食いをしてしまっていませんか?
この時期はクリスマスやお正月などの行事もあり、つい食べすぎてしまう時期でもあります。
早食いは、食べ過ぎにつながるため、注意が必要です。
早食いと肥満の関係
近年の疫学調査によると、早食いの習慣がある人には肥満者が多いことがわかってきました。 早食いにより、総摂取エネルギーの過剰、飽食、およびインスリン抵抗性(インスリンの効き具合が悪い)により肥満を引き起こすと言われています。
【図1】は、愛知県内に住む35~69歳(平均年齢48歳)の成人(男性3,737人、女性1,005人)を対象とした疫学調査の結果です。食べる速さ(5段階の自己評価)と肥満度(BMI:Body Mass Index)の関連をみたところ、早食いの人は現在のBMIが高い傾向にあること、さらには20歳の時点からのBMI増加量も高いことがわかります。
【出典/厚生労働省e-ヘルスネット】
1回の食事にかける時間
普段の食事から、一口あたり20~30回噛み、20分以上かけて食べることを心がけましょう。このようにゆっくりよく噛んで食べることで早食いに比べ摂取エネルギーが少なく、飽食度が高くなるとの研究結果もあります。また、満腹を知らせる信号は作用するまでに20分程度かかるため、この信号が作用するまでに食事を終えてしまうと満腹感が得られず、つい食べすぎてしまいます。単に食事に時間をかけると言っても「ながら食べ」はよくありません。五感で食事を楽しみながらゆっくりよく噛んで食べましょう。
食べるものの工夫
糖質主体の食品(米、麺など)はあまり噛まずに食べてしまいがちです。
それが結果的に早食いにつながってしまうので、歯ごたえのある食品(野菜、根菜類、果実類)を選択すると良いでしょう。
まとめ
よく噛まずに早食いをしてしまうとつい食べすぎてしまう原因となります。
日々の食事から
①1口20~30回噛む
②1回の食事は20分以上かけてゆっくり食べる
③歯ごたえのある食品を積極的に食べる
この3つを心がけてみましょう。
(文/出野彩里)
【参考】
・安藤雄一.花田信弘.柳澤繋孝.「ゆっくりよく噛んでたべること」は肥満予防につながるのか?.2008
・山根真由.江國大輔.森田学.大学生における早食いと肥満の関係.2015
・厚生労働省e-ヘルスネット