2024-11-29

マシン紹介/URTRA LEG EXTENSION

太もも前の筋肉である大腿四頭筋。

膝関節にとってはとても大事な筋肉であり、膝を痛めたことがある方はここを鍛えなさいと言われたり、聞いたりしたということがあるのではないでしょうか。

この大腿四頭筋を鍛えるマシンがレッグエクステンションというマシンです。フィットネスジムでもかなりメジャーなマシンではないかと思います。

当施設ではジョンソンヘルステックジャパン株式会社のMATRIX製でも最上位ULTRAシリーズの「URTRA LEG EXTENSION」を設置しています。

URTRA LEG EXTENSION

URTRA LEG EXTENSIONですが、大きな特徴としては以下の2点かと思います。

1)深めの座面角度

業務用のレッグエクステンションでは座面が水平ではなく斜めになっていて、股関節よりも膝関節が少し高い位置になるように設計されています。

こうすることで姿勢が安定した状態で運動時の膝関節の可動域を広く取ることができるためです。座面が水平でも設定によっては同じような運動可動域を確保することができますが、運動時に上体が浮き上がる力も働きやすい為、姿勢が安定しにくく、ハンドルで上体を止めておく必要性が生じます。

それほど高重量でなければ、あまり問題にならないかもしれませんが…。

2)フットアームのフリー設定

通常レッグエクステンションでは足首あたりにフットアームを合わせて運動を行いますが、URTRA LEG EXTENSIONではその設定が必要ありません。座った状態でフットアームにつま先を引っ掛けて、足首を反らせるとフットアームが足首のところに位置するような形なので、面倒な設定が一つ省くことができます。

マシンは設定が難しい、ややこしいといった声も少なくありませんので、この点はそういった方には良い点ではないでしょうか。

レッグエクステンションは膝に良くないのか?

レッグエクステンションにまつわる話として、レッグエクステンションは膝関節に良くないからやらないほうがいいとする意見があります。

理由としては以下の2点がよく挙げられます。

  • 膝関節に対して剪断力が働くため

剪断力(せんだんりょく)というのは、上下または前後というように平行に逆方向の力によって物体に「ずれ」や「すべり」を生じさせる力のことです。身近な例を挙げると、紙をちぎる際には紙を両手でつかんで右手と左手は反対方向へ引っ張ってちぎると思いますが、この時に紙に働いている力が剪断力です。

レッグエクステンションはスクワットなどに比べて大腿部(太もも)に対して下腿(すね)が前方向にずれるような剪断力がかかりやすいエクササイズでもあります。ただし、スクワットもレッグエクステンションと比較すると剪断力は低い傾向にあるようですが、剪断力は0ではありません。

そうしたレッグエクステンションの特性と膝関節の靭帯等に問題を抱えているかどうかといった個別性を踏まえて、目的に対するエクササイズ選択でレッグエクステンションが適しているのかという視点が大切です。適していたら問題ないと個人的には思います。

  • 他の筋肉との協調的な筋収縮が行われないため

私達は動作を行う際に様々な筋肉が協力し合っています。その動作の際は複数の関節が関わっており、レッグエクステンションという動作は膝関節単独の動作であることに加えて、大腿四頭筋を強力に働かせるエクササイズであることから、膝関節本来の協調的な筋収縮が行われないというような意見があります。

確かに膝関節の協調性強化を目的とする場合にはレッグエクステンションは適さないですが、大腿四頭筋を狙ってその筋力を鍛えたいというような目的の場合は問題ないと思います。

結局のところトレーニングは何か目的が合って、そこを狙ってエクササイズを選択するものですので、レッグエクステンションが適する場合もあれば、適さない場合もあるということです。

以上のことから、一括りにレッグエクステンションはダメだとは言えないと個人的には思います。

まとめ

マシン紹介よりもレッグエクステンションにまつわる話のほうが長くなってしまいました…。

最近私自身がトレーニングをしている施設にあるレッグプレスを使ってみたのですが、以前通っていた施設に置いてあったレッグプレス、当施設においているレッグプレスとは同じ重量でもそれぞれ感覚が全く異なりました。

マシンやメーカーによって感覚の違い、癖というのか、そういったものが結構異なります。これも人によって合う合わないがあると思うので、いろんなマシンを使って比較してみると面白いですよ。

(文/辻弦)

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