筋肉はいつから増える?
トレーニングを始めて数日のうちに、徐々に負荷を上げることが出来て、筋肉がついたと喜んだ経験はありませんか?実際に短期間で筋肉の量が増えているのか、トレーニングによる筋肉の変化をみていきましょう。
筋力の変化
筋肉がどれだけ大きいかを表す「筋肉量」 と、 筋肉が収縮して力を発揮することが出来るかを表す「筋力」 は違います。
トレーニングを継続すると筋肉量が増え、筋力も増加します。ただこの筋力の増加は筋肉の肥大によるものだけではありません。トレーニングの初期で現れる筋力増加は今まで休んでいた筋線維が動き出すようになるためです。
筋線維とは、筋肉を構成するための線維状の細胞であり、この筋線維が束となって筋肉ができています。
人間の筋肉は最大筋力を発揮するとき、実は筋線維の20-30%は休んでいる状態です。この使われていなかった筋線維が動き出し、力を発揮することによって筋力が増加します。
ここから更にトレーニングを続けると、筋線維が肥大し筋の体積が大きくなります。このことを筋肥大と言います。筋肉が大きくなるのに約3ヶ月かかるので、筋肥大を目的に運動をする場合は継続が必要です。
トレーニングで負荷をかけることにより、この筋線維の一部が破壊されます。その後、休養を与えることにより破損された筋は修復されます。修復される際に以前よりも筋線維は少し太くなって修復されるので結果的に筋肥大へと繋がります。
筋肥大を目的としたエクササイズ
負荷は最大筋力の70-85%で、1セット6-12回に設定し、30-90秒の休憩を挟みます。これを3セット以上実施します。
このような条件によるトレーニングでは、一時的な筋損傷を起こし修復に伴う筋肥大の効果を期待することができます。
ただ、同じ負荷でトレーニングを繰り返していても徐々に筋が慣れてくるため、筋線維が破損されにくくなります。筋肥大を目的とするなら、筋への刺激が必要ですので徐々に負荷を上げていくことが大切です。
筋力低下が及ぼす影響
筋力の低下は日常生活動作に影響を与える他に、転倒による怪我の危険性も高まります。このような怪我以外にも、筋肉量の減少により基礎代謝量が低下するため、エネルギー消費量が少なくなります。結果的にメタボリックシンドロームや生活習慣病などの内科的な疾患を招く可能性もあります。
加齢に伴い筋肉量は低下しますが、特に下半身の筋肉が身体の筋肉の中で1番減少率が大きいです。当施設では身体の部位別で筋肉量を測定する体組成測定(Inbody770)をすることが可能です。
ぜひこの機会に体組成を測定してトレーニングの計画を立ててみるのはいかがでしょうか。
<参考文献>
・健康運動実践指導者養成用テキスト, 2020
(文/小山七海)